BIOFLOW-II 試験は、オシロハイブリッド薬剤溶出ステントとXience PrimeTMの比較により9か月時点でのステント内晩期血管内腔損失径の非劣性を証明することを主要評価項目とし、452人が登録された前向き国際多施設無作為化比較試験です(患者数は2:1で登録)。今回発表された登録後1年時点でのサブ解析結果では全体の57.3%が対象血管経2.75㎜以下の小血管の患者群(Orsiro群:168/298人, Xience PrimeTM群:91/154人)であり、28.3%が 糖尿病患者(Orsiro n=84/298, Xience PrimeTM n=44/154)で占められていました。
試験の調査実施タイミングは薬剤溶出ステント留置後の1, 6, 9, 12か月時点で実施し、その後は最長5年まで1年ごとに実施されます。 Orsiro群とXience PrimeTM群の12か月時点における小血管の標的血管不全(TLF)は、それぞれで7.4%と12.3%(P=0.2065)、また糖尿病では6.0%と4.5%(P=0.7201)となり統計的有意差を示しませんでした。
本BIOFLOW-II 試験における小血管と糖尿病のサブグループ解析における結果を受けて責任医師であるManel Sabaté は次のように述べました。「Orsiroが12か月時点の小血管におけるサブグループ解析でより低率のTLFを示したことは、本製品が小血管における第一選択となるかも知れない。」
またバイオトロニック社バスキュラーインターベンション部門のマーケティング副社長であるDr. Alexander Uhl は、「世界中のインターベンショナルカーディオロジストと彼らのチームは、心血管治療において最上位実績を持つ我々のステントファミリーを信頼してくれています。また、このような素晴らしい臨床結果を示したことは、同一のデザイン構造を持つ我々の傑作Orsiro(オシロ)薬剤溶出ステント, PRO-Kinetic Energyベアメタルステント, PK Papyrusカバードステントのようなベストインクラスの製品開発に対する強固なコミットメントを向上させます」と述べました。
Orsiro(オシロ)ハイブリッド薬剤溶出ステント
2011年に欧州で販売を開始したOrsiroハイブリッド薬剤溶出ステントは、バイオトロニック社の最新のステント開発技術を具現化しています。独特なハイブリッドソリューションとは、ステントの第1層被包膜であり受動的に作用するproBIOコーティング(血管組織とステント金属部との間に発生する金属イオンの溶出などの相互反応を最小化)と第2層で最初に血管組織と接触し能動的に作用するBIOluteコーティング(生体適合性が高くコーティング自体が分解しながらリマス薬剤を溶出し血管内皮細胞の増殖を抑制する。その後は生体吸収される)の2層の組み合わせによるものです。また、この薄いproBIOコーティングは、非常に薄いストラットとデリバリー性能が高いことで広く知られているPro-Kinetic Energyベアメタルステント(Orsiroのステントプラットフォーム)にも施されております。