2017 ESC(欧州心臓病学会)とThe Lancetで発表された結果は、12か月までのTLF発生率(オシロDES 対 ザイエンスDES)は6.2% 対 9.6%であり、冠動脈インターベンションにおいて、オシロDES使用群は顕著な統計学的有意差をもって臨床成績を改善したことを示しました。
本試験は米国における承認のためのピボタルIDE(医療機器治験届)試験であり、来たるPMA(市販前承認)を可能とするためにFDAと共同で実施された複雑な患者を含む大規模試験です。オシロDESは現在世界の100以上の国々で使用可能です。
BIOFLOW-V試験の12か月までの結果において、オシロDESとザイエンスDESを比較した注目すべきポイントは以下の4点です。
オシロDES vs. ザイエンスDES
- 2% vs.9.6% 標的病変不全 (TLF)の発生率 (p=0.04)
- 7% vs.8.3% 標的血管に関連した心筋梗塞の発生率 (p=0.02)
- 0% vs.2.4% 臨床症状由来の標的血管血行再建術の発生率
- 5% vs.0.7% 血栓症の発生率 (Academic Research Consortium [ARC] definite/probable stent thrombosis rate)
「オシロDESは、インターベンショナルカーディオロジーの領域においてスタンダードとされていたザイエンスDESに対してこれまでにないTLF発生率の改善を示しました。」とBIOFLOW-Vの米国治験責任医師であるDavid Kandzari(Piedmont Heart Institute, Atlanta, Georgia, US)は述べました。「オシロDESは、PCI治療(経皮的冠動脈治療)において重要な製品性能である到達性が極めて優れています。我々は、オシロDESが優越性を示した重要要素は、非常に薄い60㎛ステントストラット、生体吸収性ポリマー、そして既に非炎症性が証明されている薬剤であることだと考えています。」
BIOFLOW-V試験は、オシロDESがザイエンスDESに対して他のDESがこれまでに示せなかった臨床成績の改善を証明した、初の大規模無作為化試験です。この国際共同試験には、1,334人(オシロDES 854人:ザイエンスDES 450人)が登録され、多数の複雑な母集団が含まれました。全登録患者のうち、50.8%が急性冠症候群(ACS)、35.0%が糖尿病であり、73.8%の病変は、ACC/AHA 分類で タイプB2/Cでした。この試験に参加された患者は5年間にわたって経過観察されます。
「バイオトロニック社は、生命により良い影響を及ぼすことを重視しているため、証明された革新を市場にもたらすことに尽力しています。BIOFLOW-V試験のデータは、オシロDESが米国市場に参入し、PCI治療にの標準的治療となるうるためのエビデンスです。」とBIOTRONIK, Inc.の社長であるMarlou Janssen は述べました。「オシロDESが利用可能な世界の国々では、医療機関、医師、患者の方々は、自信を持ってこのDESの臨床成績を信頼できるでしょう。」
BIOFLOW-V試験の試験デザインは、以下に公表されています。
American Heart Journal と www.clinicaltrials.gov (identifier NCT02389946)